「星の王子様」~面子コスト~

さて、今回はいよいよ目に見えないけど確かにあるコストの3つ目を紹介したいと思います。

名付けて「面子コスト」と呼びます。

このコストが、実は目に見えないコストで一番、改善しづらくて、しかも金額のウェイトが高いコストなのです。

なぜなら、その名の通り、組織上、一定の管理者以上の面子(メンツ)に関わる費用なので、合理性よりも政治的な要素が優先されるからです。
ですから、私達が、コンサルティングに入った場合は、最大限の慎重な対応が求められます。
というのも、例えば、専務が出身のゴルフ事業部がここ数年にわたって不採算が続いている場合の事業整理や、もうほとんど利用されていない社長のお気に入りの会社の保養所、常務が始めた肝煎りのプロジェクトが大幅な予算割れしているなど…これらは単に現状の数字の成績以外に、これまでの歴史的な思い入れや愛着、組織の中で自分のプレゼンスを維持するためのメンツなど、外からは目に見えない要素が深く関わっているため、短絡的に数字だけで判断してしまうと、途端の「出入り禁止」の通達を受け取る羽目になります。
こんな時、私達コンサルタントとしては、会計プロフェショナルとして、合理性と統計的、客観的数字に基いて丁寧に、説明を尽くすしかありません。
先日、大好きなTBSドラマの「ノーサイドゲーム」が再放送されてました。

ドラマでは、社長のお気に入りの不採算のラグビー部が、閉鎖を迫られながら、再建するというサクセスストーリーですが、ノーサイドゲームや映画のプリティ・ウーマンなど、映画やドラマでは、得てしてコンサルタントは数字のみで判断する冷徹な悪役として表現されます。
面子コストは、経営学で出てくる投資ポートフォリオの「問題児」となっているケースが多く、ドラマのように問題児をもう一度「金のなる木」に再成長できればいいのですが、現実はなかなかそうはいきませんね。
しかし、今のコロナ禍にあるようにリスクをチャンスに変えていくことは、より一層必要になります。
次回以降は、これらの「見えないけど確かにあるコスト」に、どう立ち向かって行くのかについて書いていきたいと思います。

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